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研究紀要

 研究紀要第16号 要旨


【論文】 アイヌ語虻田方言の英雄叙事詩(yukar)テキストとその言語的特(2)(佐藤知己)

【資料紹介】 魔祓いの儀礼、および魔祓いに関連する歌や踊りについての聴き取り―北海道立アイヌ民族文化研究センター採録音声資料より―(甲地利恵)

【資料紹介】 余市水産博物館所蔵のアイヌ資料(古原敏弘)

【研究ノート】 アイヌのクマ送り関係資料概要―ペテルブルグの博物館所蔵品について―(荻原眞子、古原敏弘)



〔各論文の要旨〕


【論文】
 アイヌ語虻田方言の英雄叙事詩(yukar)テキストとその言語的特徴(2)
(佐藤知己)

〔要旨〕

 本稿は紀要15号掲載論文の後篇である。虻田地方の英雄叙事詩テキストを音声資料から文字化し、訳注を付し、併せて注目すべき言語的特徴について述べた。音声的には u の前における s の口蓋化がやはり顕著であること、文法的には、たとえば千歳方言においてはアスペクト的機能に重心が置かれている siri という形式が、虻田方言においては「証拠性 evidentiality」に傾斜した機能を有することを例証した。語彙的な特徴としては、八雲方言と共通する形式がみられることを指摘し、幌別方言と虻田方言との間に、比較的大きな方言境界がある可能性を指摘した。なお、内容的にはkannon(観音か)が登場するなど、歴史的要素を含む点でアイヌ口頭伝承としては特異な性格を有することを述べた。

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【資料紹介】
 魔祓いの儀礼、および魔祓いに関連する歌や踊りについての聴き取り―北海道立アイヌ民族文化研究センター採録音声資料より―(甲地利恵)

〔要旨〕

 「フッサ(カラ)」などの名で呼ばれる魔祓いの儀礼について、またその儀礼の中で用いられる掛け声や動作を織り込んだ歌や踊りについて、道内各地の伝承者らにインタビューした内容を紹介している。インタビュー時の録音を一次資料として、筆者と伝承者のやりとりをなるべくそのまま文字にし、必要に応じて注釈や図解や楽譜(筆者による採譜)を添え、話題のまとまりごとに小見出しを付けている。
 なお、録音資料は研究センターの資料閲覧コーナーで視聴することができる。

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【資料紹介】
 余市水産博物館所蔵のアイヌ資料(古原敏弘)

〔要旨〕

 余市水産博物館の所蔵するアイヌ民具について紹介したものです。紹介資料は、同館が昭和44年の設置以来、町内で収集した54点で、説明と写真を掲載しています。日本海沿岸地域のアイヌ民具はあまり多く知られていませんが、漆器椀の「シロシ」と呼ばれる刻印の施し方や木製の装飾品など他地域ではみられない特色のあるものや、革ベルトなどサハリンとの関係がうかがえる資料などが含まれています。また、場所請負人の店印の上にシロシを刻んだ漆椀もあります。

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【研究ノート】
 アイヌのクマ送り関係資料概要 ―ペテルブルグの博物館所蔵品について―(荻原眞子、古原敏弘)

〔要旨〕

 1995年から2000年にかけて行われたロシア共和国ペテルブルグの「ロシア科学アカデミー人類学民族学博物館」(MAE)と「ロシア民族学博物館」(REM)で行った約4,000点の資料調査の中から、20世紀初頭のサハリンや北海道で収集されたクマの飼育や送りに関する資料約50点ついて、資料の特徴などを説明するとともに、関連報告の記述内容や写真資料との対照などを行っています。

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