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〔山田秀三文庫の資料から〕

根室市の春国岱(しゅんくにたい)

(資料番号:YF0417)

 春国岱」と書いて、「しゅんくにたい」と読みます。──アイヌ語地名に関心を持つ方であれば、ここまでで「なるほど、そういう地名なんだ」と、おおよその察しが付くのではないでしょうか。
 


 ①は、アイヌ語地名研究者・山田秀三氏が、1961(昭和36)年に根室地方の地名を調査した記録の中にある、根室市春国岱の写真です。
 ②は、このときの調査で山田氏が描いた、根室半島の地図です。二重丸で囲ったところが根室の市街地で、「春国岱」の文字の下、島のようになっているところが春国岱です。
 ①は古いモノクロ写真なので土地のようすがわかりにくいかもしれませんが、右側の写真では上のほうの森が春国岱です。②の地図で、太線の矢印のある辺りから撮影したものです。
 左側の写真でも、上のほう、少し遠くに見える広い森が春国岱です。 ②の地図で二重線の矢印の辺りから撮影したものです。

 


 山田氏の研究などによれば、春国岱は 「スンク・ニタイ」(sunku・nitay=エゾマツ・林) に由来すると言われています。
 ここには広大な森林が広がっており、アカエゾマツ、トドマツなどの植生が見られます。
 現在では、根室半島を走る国道44号線(②の地図にも線が書き入れられています)の、ちょうど春国岱の南のところに「道の駅」が設けられていて、ここから見る春国岱の景色は見事です。

 「スンク」(エゾマツ)に関係する地名は他にもあります。
 比較的有名なところでは、知床半島にある、斜里町・ウトロに近い「オシンコシンの滝」の「オシンコシン」もその例です。
 山田氏によれば、この滝の近くに 「オ・スンク・ウシ」 (o・sunku・us・i=川尻(に)・エゾマツ・群生する・もの(所)) に由来する地名があり、それが少し訛って滝の名としても呼ばれるようになったのではないか、とされています。

『センターだより』38号をご覧になる場合は、こちらへ

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