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山田秀三文庫について
研究センターでは、1994(平成6)年に、アイヌ語地名研究の第一人者として知られる故・山田秀三氏(1899〜1992年)が生前研究に用いた図書・調査資料の寄贈を受け、「山田秀三文庫」と命名しました。
このうち、音声資料については、整理作業を終えたものを視聴、閲覧することができます。希望の方は職員までお知らせください。
山田秀三文庫については、図書資料、文書・写真資料、音声・映像資料の目録を刊行していますのでご参照ください。
山田秀三氏の略歴
1899(明治32)年東京生まれ、東京帝国大学法学部を経て農商務省、商工省等に勤務、1945年退官。1949年から北海道曹達株式会社の設立時に請われて社長、のち会長、相談役を歴任。1941年に着任した仙台鉱山監督局長時代に東北の地名に関心を持ち、戦後は、自ら「道楽」と称して東北・北海道のアイヌ語地名を調査した。
金田一京助氏の薫陶を受け、知里真志保氏、久保寺逸彦氏と交友関係を持ち、アイヌ語や古代史に関する深い知見を有していた氏の研究は、既存の文献や地図を徹底的に調べ、その上で現地を確認していくという実証的な研究方法を確立し、アイヌ語地名研究の水準と蓄積を大きく前進させた。
著書に『アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集』、『北海道の地名』など。また北海道文化財保護協会、アイヌ無形文化伝承保存会の創設に参画し役員をつとめるなど、アイヌ文化及び北海道の文化財に関する活動でも重要な足跡を遺した。