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今回は、アイヌの伝統的な楽器の中から「トンコリ」について紹介します。
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トンコリは、主にサハリン(樺太)と宗谷地方の一部で伝承されてきました。
戦後、北海道に移り住んだ樺太アイヌの人々によって、
トンコリの作り方や弾き方が伝えられました。最近では、
各地で伝承・演奏活動が行われるなど、アイヌの楽器として注目されつつあります。
アイヌ文化関連のイベントなどで演奏されるのを耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。
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●どんな音?
こちら
から実際の演奏を聴くことができます。
サハリン出身の西平ウメさんによるトンコリ演奏の曲です。
いかがでしょうか。シンプルで明るい響きが印象的です。
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●どんな楽器?
こちら
でトンコリの写真をご覧になれます。
木をくりぬいた胴に薄い板を張り、張った弦を駒に渡しています。
弦が5本のものが多いので「五弦琴」と呼ばれたりしますが、
ほかに3本や6本のトンコリもあったことが知られています。
弦は、動物の腱や植物の繊維を撚(よ)って作ったと伝わっていますが、
現在は三味線の弦(絹糸)を利用することが多くなっています。
演奏するときは、肩に乗せ、両手で挟むように支えて構え、両手の指で弦を弾きます。
演奏するときの持ち方のようすの写真は、
こちら
から。上と同じ、西平ウメさんの写真です。
5本の弦が、高→低または低→高のような順番で並んでいないのも、
トンコリの大きな特徴のひとつです。
これらの弦は、指で押さえたりせずにそのまま弾きます。
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●どんな曲があるの?どういうときに弾くの?
伝承されている曲の多くは、
動物の鳴き声や自然界の物音などを主な題材としていると言われています。
こうした曲は、一人で楽しむために弾いたり、
子守歌代わりに子どもに聞かせたり、
祝い事などの場で皆で歌ったり踊ったりする時などに弾いた、
と伝えられています。
中には、短いアイヌ語の歌詞が付いている曲もあります。
また、輪踊りの伴奏曲として伝承されているものもあります。
独奏するほかに、何人かで合奏することもあります。
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●トンコリを弾いてみるには?
「トンコリを弾いてみたい!」と思った方は、
アイヌ民族博物館(白老町若草町2-3-4)で「トンコリ演奏」を体験できます(有料、要予約)。
ここでは、トンコリの製作や販売も行われています。
また、トンコリの歴史や演奏法についての概説書(CDとDVD付)も販売されているので、
こうした教材を利用して独習することもできます。
実際に自分で鳴らすことで、トンコリのイメージをさらに広げ、
いっそう親しむことができると思います。
機会があったらぜひトンコリに挑戦してみてください!
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