研究紀要第18号 要旨
【論文】 アイヌ語千歳方言における名詞抱合 : その種類と関連諸規則 (佐藤知己)
【論文】 アイヌ口承文芸に描かれたイヌエンジュ、エゾニワトコの神格について(安田千夏)
【研究ノート】 伝統的なアイヌ音楽のモノフォニーの歌唱形式におけるポリフォニー的要素(甲地利恵)
【研究ノート】 アイヌの犬橇関係資料概要―ロシアの博物館所蔵品について─ (荻原眞子、古原敏弘)<
【事業紹介】 北海道文学館所蔵「知里真志保遺稿ノート」の細目次 (北原次郎太、小林美紀、八谷麻衣)
〔各論文の要旨〕
【論文】
アイヌ語千歳方言における名詞抱合 : その種類と関連諸規則
(佐藤知己)
〔要旨〕
※次回更新時に掲載予定です
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【論文】
アイヌ口承文芸に描かれたイヌエンジュ、エゾニワトコの神格について
(安田千夏)
〔要旨〕
アイヌ文化において魔払いの用途で使用される植物には様々なものがあるが、本稿では樹木イヌエンジュとエゾニワトコについて取りあげた。採録されたアイヌ口承文芸資料では、イヌエンジュは位の高い神と位置づけられる伝承が存在するのに対し、エゾニワトコは必ずしもそうではなかった。イヌエンジュ神の伝承中の一要素「立派な木」という部分に着目すると、低木のエゾニワトコは性質的にその条件を欠いており、自然界にみる実際の樹相が伝承中の神格に影響を及ぼしている可能性を提示した。
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【研究ノート】
伝統的なアイヌ音楽のモノフォニーの歌唱形式におけるポリフォニー的要素
(甲地利恵)
〔要旨〕
アイヌ音楽のうち集団で歌う歌唱形式については、これまで言語学者や音楽学者らが様々な分類を行っている。筆者はそれら先行研究をふまえ「ポリフォニー(多声)/モノフォニー(単声)」という視点から新たな分類を試みる。また、モノフォニーの歌唱形式におけるアイヌ音楽的な特徴として、アイヌ音楽におけるモノフォニーは単純なモノフォニーではなく様々なポリフォニー的要素を備えており、より古い録音資料ほどそうした傾向を示している、と指摘する。
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【研究ノート】
アイヌの犬橇関係資料概要―ロシアの博物館所蔵品について─
(荻原眞子、古原敏弘)
〔要旨〕
1995年から2001年にかけてロシア共和国のペテルブルグ、ウラジオストック、ハバロフスク、ユジノサハリンスク、ドイツのライプツィヒの6博物館で行った調査で確認した、日本国内には実物資料のないサハリンアイヌの犬橇と、それに関係する道具などの資料について、個々の資料説明と、アイヌの衣文化のなでの位置付けなどの課題を取り上げたものです。シベリアの諸民族の犬橇や、スイベル(転環)に関する、ケルン大学ウーラ・ヨハンセンの論文(和訳)なども紹介しています。
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【事業紹介】
北海道文学館所蔵「知里真志保遺稿ノート」の細目次
(北原次郎太、小林美紀、八谷麻衣)
〔要旨〕
北海道文学館が所蔵する、アイヌ語学者知里真志保のフィールドノート類234冊について内容の検索を容易にするため細目次を作成した。各ノートの内容のまとまりごとに原文の冒頭一部を転写し、記載内容の概要と、調査年代、調査地等を記した。また、知里の発表論文との対応が確認できた箇所については備考に記した。一連のノートには金成マツ、和田文治郎など知里以外の資料も含まれると思われるため、全ノートの筆跡サンプルも掲載した。
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